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↑長居公園落雷事故訴訟の提訴について
昨年8月18日、大阪市の長居公園で開催されたa-nationという野外コンサートを訪れた22歳の女性が、コンサート会場である公園内の第1陸上競技場に入場するための行列に並んでいたところ、落雷事故に遭い死亡するという事故が起きました。
昨日、この事故で亡くなった女性のご両親が主催者に対する損害賠償請求訴訟を大阪地方裁判所に提起されました。昨日のテレビニュースや本日朝刊の新聞で比較的大きく報道されています。当事務所からは佐藤と野口が代理人をつとめております。
落雷事故というと偶然的な不幸な事故という印象も持たれるかもしれませんが、近年の落雷の予測技術は客観的かつ正確になってきています。平成22年5月から気象庁でもホームページ上で「雷ナウキャスト」という雷発生の可能性や雷の激しい地域の詳細な分布と10分おきに1時間先までの予報システムを提供しています。すなわち、誰でも簡単に落雷の可能性を予見できるのです。なお、本件でも、当日は午前中から大阪市内には雷注意報(※雷に警報はありません)が出ていました。
また、平成8年に発生した、高校生が課外クラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した事故について、引率者兼監督の教諭に落雷事故発生の危険が迫っていることを予見すべき注意義務違反があったとする最高裁判例も平成18年に出されました。この判決以降、財団法人日本サッカー協会や財団法人日本ラグビーフットボール協会等は、落雷の際の詳細な対応マニュアルを作成し、準備段階や試合当日に行うべき落雷事故の発生を回避するための対策を確立させています。
本件でも、5万人を超える来場者を予定していたこと、8月午後に開演されること、近年「ゲリラ豪雨」と呼ばれる雷雨が多発していることに鑑みれば、イベント企画段階から落雷事故の発生を予想し、十分な落雷事故対策を行うべきであったと考えます。また、事故当日も雷注意報が発表されていることから、落雷の危険性が高まっていることを警備員やスタッフ等関係者に周知し、観客にアナウンス等したり、観客を会場となる陸上競技場内や周辺建物内に誘導、収容すべきであったと言えます。
死亡した女性のご両親は、本件主催者がイベント準備段階においても落雷事故対策マニュアルを十分確立せず、事故当日も落雷の危険を常時監視して観客を避難させるなどせず、落雷事故の発生を回避すべき義務を怠ったために女性が死亡したとして民事訴訟を提起されたのです。女性のご両親は、今後も各地で行われる野外イベントの際に今回のような痛ましい落雷事故が発生することがないように、主催者側に十分な対策を講じてもらう強い願も込めて提訴に踏み切られました。
今後この裁判については随時ご紹介したいと思います。
佐藤健宗、野口敦子
意 見 陳 述 書
大阪地方裁判所第3民事部合議1係 御中
平成25年 10月 7日
原 告 父 岩 永 浩 美 母 岩 永 和 子
1 提訴に至った経緯
平成24年8月18日(土)私達の娘・岩永牧子(年齢22歳)は、当日朝から楽しみにしていた野外ライブ(a-nation 2012)を見に行くため、北九州市(小倉駅)から新大阪に着き、その後、地下鉄に乗り ビジネスホテルで荷物を預け、近くのラーメン店で食事をし、地下鉄に乗り13時30分開場時間を目標に、会場である長居公園に向かいました。娘は地下鉄から降り、公園内に入り行列に並んでいましたが、その時、落雷事故に遭い、心肺停止となりました。落雷事故が発生した時間は、14時10分頃から14時15分頃までの間だったそうです。
当日 私達夫婦に連絡が入ったのは病院側からの連絡で、15時36分頃でした。それから私と妻は、北九州市から大阪市内の病院へと向かいました。
私達が到着したとき付き添いが誰もいないことに愕然としました。病院からは、心肺停止の場合は速やかに対応しないと命に係わる、早い段階でAEDを当てていれば命は助かった可能性が高かったと言われました。
翌19日の朝、娘は尊い命を失いました。それから警察の担当者から事情説明があり、娘の解剖検査行うため管轄の警察署へ遺体を搬送するとの事で、私達も警察署へと移動しました。到着後、控室で待っている間、担当警察官から事故現場へ行かれますかとのお話しがあり、私達は事故現場へ行きました。現場に到着すると、私達は人の多さに目を見張りました。警察官に尋ねたところ、ライブは何事もなかったかのように二日目も予定通り開催するとの事で私達は、驚いて警察官に主催者側に会いたいと申し出ました。なぜ、中止にしないのか納得がいかない状況でした。警察官から主催者側に会ってほしいと頼んでもらいましたが、警察官からは出来ないとの返事がありました。そこで仕方なく警察官から主催者側の方に連絡をしてもらい、私達に連絡をくれるように、お願いしてもらいました。
解剖検査が終わり、私達が北九州市に戻ろうとした時、地下鉄で主催者側から連絡を受けました。時間は16時50分頃でした。その時 私は連絡をしてきた主催者側の人に事故の対応はどうであったのか確認をしましたが、主催者側は万全な対応をしたと言うだけでした。
主催者側は、午前中から雷注意報が発令され、実際にゲリラ豪雨に見舞われたにもかかわらず避難誘導等何らの対応もしていません。行列に並ばせているのに、何ら対応していない事が、私達は納得できませんでした。その後、自分たちで調べて行く中で、救急車の要請も主催者側からではなく一般の方からの通報であり、主催者側は事故現場で一切何の対応もしていないことが分かりました。二人の尊い命が失われているのに野外ライブを決行していることにも納得がいきません。事故発生から2週間後にも、私達から主催者側に連絡しましたが、娘の事故のことは、「競技場を借りただけで競技場外は関係ない」と言われました。そのためこのような経緯から主催者側の責任を明らかにしたく提訴に踏み切った次第です。
2 娘への思い
娘は、生まれて間もない頃から健康で明るく活発で、小学校の時は友達も多く また、優しい娘でありました。中学3年生の高校受験の時は、自ら推薦を学校担任に申し出、合格しました。また、高校の時は、卓球部に所属し、3年間最後までやり遂げました。そして1級簿記・電卓1級を取得し卒業しました。高校卒業時は、私達と相談し、就職するか大学まで行くか悩んだ末、きちんと奨学金を借り、短大を卒業しました。私達は、娘の行動を陰ながら応援していました。その後、整形外科の事務として就職し、約2年5ヶ月事務職及びリハビリ担当として仕事を頑張っていました。預金も170万円ありました。幼稚園から短大までの友人を凄く大切にし、そして、いつも友達から悩み事を相談されていました。友達のお誕生日にサプライズをする事が大好きで、友達を感動させ喜ばれていました。私達は改めて娘の存在の大きさを知り、偉大な娘であったと実感しました。
娘も今回の事故は、納得がいかないと思います。本当に悔やまれます。
3 被告に伝えたいこと
被告ら主催者に伝えたいことは次の6点です。
①カラーコーンを並べて入場者を並ばせているのに、なぜ十分な警備体制を取っていなかったのか
②なぜ、救護本部で医師及び看護師が待機しているのに、なぜ事故発生後何も対応しなかったのか。
③娘はエグザイルのスポーツタオルを身につけて倒れていたのに、なぜ事故発生後何も対応しなかったのか。
④なぜ、野外ライブを中止しなかったのか。
⑤なぜ、競技場外を関係ないといえるのか。
⑥事故の翌日2日目のライブではなぜ、カラーコーンを撤去したのか
4 この裁判に望むことは
娘の事故は、今後も野外ライブに於いて有り得る事です。二度と同じ悲惨な事故が繰り返されないためにも、この裁判において、主催者側の誰が何をすべきであったのか、何が不十分であったのか、その責任の所在が明らかにされることを望みます。そして、今後の野外ライブでの警備体制、避難誘導体制等の見直しがされることを望みます。5万人以上の人が集結する場所では、実際にコンサートが行われる競技場内だけではなく、行列が出来る競技場外でも完全対策は万全にすべきだと考えます。
以上

↑この写真は、堺の方から裁判資料に提出して下さいと送られた写真ですが、ビデオに収めたものを、写真にしたものです。裁判所は却下? なぜ!!

↓判決文・・・下記のリンクをクリックして読まれて下さい。
原告代理人「教訓がふまえられていない判決」原告側代理人の佐藤健宗弁護士は判決後に記者会見し、「とうてい承服しがたい判決」と述べた。
「あの瞬間、あの場所に雷が落ちることを予想するのは不可能だ。『具体的に』というハードルを設けてしまうと、極めてレアな場合にしか予見可能性が認められなくなる」
同じく原告側代理人の辰巳裕規弁護士は、サッカー大会の主催者に落雷事故発生の責任が認められた最高裁判決に言及し、「過去に積み重ねられた落雷事故の教訓がふまえられておらず、残念だ」と、判決を批判した。
a-nation EXILE公演 落雷裁判の判決後の長居公園楠木の前で住民の方々の声 裁判官が、示す相当な距離落雷現場から第2陸上競技場まで徒歩2分(140m) 長居スタジアム徒歩6分の誰もが知っていますメイン導線の横の楠木が相当な距離?
電車の車両1両の長さは?。
JR在来線・大手私鉄・地下鉄車両1両 20mだそうです。 20m×7車両=140mが相当な距離? ↓下記のURLは落雷場所から歩き、長居スタジアムまで6分掛らず!裁判官の言われる相当な距離?が理解できません。↓下記の映像15:53は、間違えで13:53です。
